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2018年10月27日6 分

無料でできる、マーケティングオートメーション その4

最終更新: 2023年9月9日

Mauticではじめよう(画像 © Danny Baza Blas@flickr)

 前回(その3)では、Mauticの日本語化を行いました。それだけです。で、どうすんの?ということですよね。

 では、いよいよMauticを本格的に触って、マーケティングオートメーションの仕組みを感覚的につかみしましょう。ようやくそれっぽい作業に突入です、笑。

Mauticならホームページがなくても始められる

 さて、マーケティングオートメーションといえば、すでに運用しているホームページに、その機能を導入して、マーケティング活動に活用してゆく、というイメージを持たれているかもしれません。

 もちろん、普通はそういう流れになるものかと。しかし、本稿は「とにかくマーケティングオートメーションってなんですか?」という読者を想定しておりますので、ひとまず「すでに運用しているホームページに導入」というのは、また別の機会にご紹介しようと思います。(もちろん、Mauticは外部のWEBサイトと連携して使うことができます)

ちょっとコワくないですか?マーケティングオートメションって…

 みなさんが日常的にインターネットを利用する中で、とある企業のホームページでPDFファイル(例えばホワイトペーパー)をダウンロードしたりすることってよくありませんか?私の場合は、事例を集めたりすることが多いです。

 すると不思議な事が起こるんです。その日から、その資料を提供してくれた企業から、定期的に、あるいは不定期にメールで案内が届くようになるんです!割引キャンペーンとか。

 この不定期がくせ者で、しばらくするとメールの案内が来なくなるんですが、その後、別の動機でその企業のホームページを閲覧すると、またメールが届き始めたり。

 不思議というかちょっとコワイ…。これが監視社会っていうやつでしょうか。メールアドレスは確かにダウンロードしたときに入力しましたが、2回目にホームページを訪問したときは、メールアドレスとか入れてないし…。

Mauticの典型的な使い方

 完全に監視されてますね、中国なみに。とはいえ、その企業(や製品とかサービスとか)に全く興味が無いわけではないので、不定期であれ、タイムリーに情報が届くのは便利だったりもします。

 これを、Mauticを使ってやってやろう!、受け手ではなく、発信側としてやってしまおう、というのが今回のテーマです。

 全体的な流れを整理するとこんな感じです。

  • 資料請求のホームページ(ランディングページ)にアクセスする

  • メールアドレスの入力を促される

  • メールでダウンロード先の通知が来る

  • メール内のリンクをクリックしてダウンロード開始

 だいたいこんな流れでしょうか?これを今回Mauticを使って実践、というわけです。

 では、さっそく始めてみましょう。

Mauticの4ステップ(概要)

 まずは自分のページにログインしてください。「指定したドメイン.martic.net」でしたね。

Mauticのログイン画面

 ログインしたら、メインメニュー(左)をざっくり眺めてください。今回の主な作業は「コンポーネント」「キャンペーン」「チャンネル」です。

Mauticのダッシュボード画面

 手順は、①フォームのセットアップ、②ランディングページ(メニュー名はLanding Pages)の作成、③サンキューメールの作成、④キャンペーンのセットアップ、の4つです。

 先の全体的な流れに対応させると、

  • 資料請求のホームページにアクセスする(②ランディングページ

  • メールアドレスの入力を促される(①フォーム)

  • メールでダウンロード先の通知が来る(③サンキューメール)

  • メール内のリンクをクリックしてダウンロード開始(③サンキューメール)

 こんな感じです。実際のサービスフロー(カスタマジャーニーとかいったりもしますね)と作業フローは順序が一致していませんが、意識はしておいてください。これらの流れを設計するのが「④キャンペーン」になります。

 ざっくりまとめます。

① マーケティングオートメーションの基本はメールアドレスの獲得です。なので、メールアドレスを取得するための入力「①フォーム」の作成は、Mauticでは最も重要かつ基本的な作業になります。

② 次に重要なのは「②ランディングページ」になります。ようするに、マーケティング的にいうと、顧客との接点(タッチポイント、コンタクトポイント)を準備しておくということです。

③ 3つ目は、情報伝達の具体的なアクションとなる「③(サンキュー)メール」です。これによって、顧客の行動を促します。ですので「魅力的なメール」をデザインすることは、とても重要です。

④ 最後に、これらの3つの要素を統合して運用する活動を設計するのが、Mauticでいうところの「④キャンペーン」になります。(Google広告でもキャンペーンという用語を使ってますし、意味は同じです)

なぜ活動の設計で終わ(れ)るのか?

 それがマーケティングオートメーションのオートメーションたる所以です。実行はなんと機械がやってくれるのです。素晴らしい!(とはいえ、PDCAでいうところのPCAは少なくとも人的にやらないといけません。そして、いかなる場合であってもCAこそ重要な活動なのです!と声を大にして言いたい…デザイン思考も同じです)

Mauticの作業:手順①、フォームのセットアップ

 今回は手順が多いので少々時間がかかるかもしれません。全行程で10分ぐらいでしょうか。お付き合いのほどよろしくお願いいたします。(手順ごとに作業を保存できますので、めんどくさくなったら次の日の作業にしましょう)

 手順①では、アクセスしたユーザーの名前とメールアドレスを獲得するための入力フォームの設定を行います。フォームのセットアップ前とセットアップ完了後の画面を準備しました。

Mauticのフォーム画面(作成前)

Mauticのフォーム画面(作成後)

 手順①のゴールは、「最初のコンタクト」というフォームを完成させることです。さっそく始めましょう。

 メインメニューの「コンポーネント▼」>「フォーム」をクリックするとダッシュボード画面がフォーム画面に切り替わります。まだ何もない状態です。

 右上の「+新規」をクリックして、フォームのセッティングを行いましょう。

 「新規キャンペーンフォーム」を選択します。フォームの画面に切り替わります。

 ①「詳細」タブの「名前*」に「最初のコンタクト」と入力(名前を決めます)し、新しいキャンペーンフォームを作成します。

 次に、同じ画面の「フィールド」タブに移ります。

 ②「フィールド」タブでフィールドを登録します。「新しいフィールドを追加▼」プルダウンメニューから「テキスト」を選択します。

 自動的に次の設定画面に切り替わりますので、次に、フィールドの詳細を設定します。

 ③「一般」タブで、先ほど作成したフィールド(テキスト)にラベルをつけます。「First Name」と命名しましょう。

 フィールドのラベルの名前を決めたら、次にコンタクトフィールドを設定します。

 ④「コンタクトフィールド」タブで、「ひとつ選択…▼」プルダウンメニューから、「contact First Name」を選択します。

 完了したら、「+追加」をクリックして作業終了です。

 この作業は、Mautic内部で持っている顧客情報(Contacts)の、どのフィールド(例えば、名前やEメールアドレスなど)と照合させるかを設定する、重要な作業です。

 

 作業が完了しました。新規キャンペーンフォーム「最初のコンタクト(詳細タブで確認できます)」に「First Name」フィールドが追加されました。

 ここまでの②〜④の作業を繰り返して、取得したい顧客の情報(フィールド)を追加してゆきます。First Name(名前)フィールドに加えて「Email」フィールドを追加しましょう。

 手順は、②「フィールド」タブ>「新しいフィールドを追加▼」から「Eメール」を選択、③「一般」タブ>「ラベル」>「Email」を入力しラベル名を設定、④「コンタクトフィールド」タブ>「ひとつ選択…▼」から「contact Email」を選択、「+追加」ボタンをクリックして終了です。

 作業が完了したら、うまく設定できているか確認をしましょう。

 「フィールド」タブに「First Name」「Email」のフィールドが追加されています。ここまでで、全4工程の手順①、フォームのセットアップが完了しました。

次にすること(予告):ランディングページ

 今日からMauticの実践作業を開始しました。全行程4つの手順のうち1つ目が終わりました。なんとなくMauticの使い方に馴染んできたのではないでしょうか?

 次回は、手順②、ランディングページの作成に移りたいと思います。

 本日はここまで、お疲れ様でした。

#mautic #ma


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